サービス提供時間以外の労務管理のポイント
訪問介護・訪問看護については、業務報告書やカルテなどの記録の作成・記載が義務付けられています。
これらの作成・記載時間も、当然、労働時間にカウントされます。
賃金の支払い義務が生じます。
また、待機時間や手待ち時間も労働時間となります。
ご利用者の急な時間変更によってサービス開始時間まで待機しているような場合、その待機時間も労働時間となります。
昼休み中の事業所内での電話番なども労働時間となります。
夜間の緊急コール対応なども、当然、賃金支払義務が生じます。
ただし、緊急コール当番等で自宅で緊急コールを待つような場合、その自宅での待機時間については、労働時間にカウントしなくてよさそうです。
病院等での「宿当直」と同様には考える必要はなく、労基署の許可や残業・深夜の割増賃金支払いの必要もありません。
(労基署に問い合せました。判断が難しい案件のようです。ただ、使用者の指揮命令下にあるとはいえない状況なので、労働時間には当たらないでしょうということでした)
ただ、この緊急コール当番にも、「緊急コール当番手当」のようなものは支払っておいたほうが良いと思います。
また、実際に緊急コールがあって、ご利用者宅へ伺いサービスを提供した場合には、そのサービス提供時間については「通常の賃金+時間外割増+深夜割増」の賃金支払が必要になります。ご注意ください。
研修の受講時間についても注意が必要です。
事業所の指示による研修や受講しなければ何らかのペナルティがある研修は、その研修時間も労働時間とみなされます。
それは、事業所内の研修であっても、事業所外の研修であっても同様です。
事業所(ステーション)は、従業員の労働時間を適正に把握する義務があります。
タイムカード等での把握が難しい場合には、従業員一人ひとりにきちんと報告させるなどして、適正な労働時間の把握・管理に努めなければなりません。
これは、賃金をきちんと支払うというだけでなく、従業員の健康管理や安全管理にとっても重要なことです。
必ず、従業員の労働時間を正確に把握するようにしてください。
以上が、今回の労務管理のポイントとなります。
ポイントをしっかり抑えた労務管理によって、労基署からの指導や労使トラブルを未然に防いでいきましょう。
☆発行責任者 :社会保険労務士事務所いいだ 飯田弘和
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